タコ社長のオーストラリア日記  第十一回      「花粉症の季節がやってきた」  石原敏郎

(写真:1人当たりの公園面積が、世界でも最も広い街の一つと言われるメルボルン。公園と同居して住んでいるような所だ。)

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(写真:英国から導入されたギョウギシバ。動植物で外国から導入されたものが悪さをしているものが結構ある。この国は、本当に海外から隔離されているような状態だった。) 

 いよいよ始まった。といっても前立腺肥大などの話ではない。前立腺肥大といえば、トマトが防止に役立つとか。イタリアでは比較的前立腺に関わる病気が少ないのはトマトのお陰なのだとか。私はトマトが嫌い。肥大して良いものと悪いものがあるが、この場合はトマトに軍配を上げて挑戦すべしと考えている。イタリア移民の多いメルボルン、今度イタリアレストランに行ったら、パスタを肴に前立腺の話で盛り上がろうと思っている。

(写真:アカシアの一種、ワトル。鮮やかな黄色で8月ころからメルボルン中を飾ってくれる。)

 始まったというのは実は、花粉症。メルボルンは花粉症のメッカと言われているくらいの勢いのある街。あまりありがたくないメッカではあるが。公園もいたる所にあり、これなんかもその理由だろう。

(写真:ボトルを洗うブラシのような形をしているボトルブラシ。黄色や赤など、色とりどりのブラシがそよぐ。)

 日本の花粉症の原因は杉にあるという。では、こちらの花粉症の原因は、と調べてみた。9月頃からスタートする花粉症の原因の一つは、実は芝とか草だという。特に、英国から入ってきたギョウギシバという芝が、行儀が悪くて困っているらしい。他には、アカシアの一種であワトル、ボトルを洗うブラシに似ているのでそう言われるボトルブラシ。更には全部で400種類もあるユーカリの木などが原因のようだ。

(写真:400種類のユーカリの木は、オーストラリアを代表するもの。コアラが食べるのはその内でも14種くらいと言われている。わりと食わず嫌いのようだ。但し、人間が食べると大変なことになる。)

 私は、日本にいる時には花粉症に縁のない人間だった。そんな日本人でメルボルンに来てから花粉症になった人はゴマンと知っている。昨日の居酒屋の帰りあたりから、目がしょぼしょぼしてかゆい。いよいよだ。こんな時は、先日友人にいただいた眼球洗浄液が嬉しい。オランダ系の連れ合いは、いったいそれは何なのかといぶかしがっていた。「本当に日本人はいろいろ考えるのね」となかば呆れていた。でも嬉しい液だ。

 花粉症が始まるともうティッシュでは間に合わない。そこで登場するのがハンカチ。いろいろな使い道のあるハンカチだ。昔日本でアメリカ人の友人がいきなりハンカチではなをかんだ時は鳥肌状態だったが、こちらの通勤電車の中で止めどなく襲ってくる鼻水を思わずハンカチで。いろんな初体験がある。これなんかは気持のいい方だった。しかも便利。新聞でも読みながらそれとなく片手でもかめる。


 ここはオーストラリア、鼻水すすりはご法度の国、思いっきり音を立ててもだれも嫌な顔をしない。しかし、いくらポケットに入れている間に乾くといっても限度がある。だから私は、ハンカチ二枚で臨んでいる。私はこのシーズン、外に出ると7人の敵と花粉症に悩まされている。
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